はじめに
2023/12/10にポストして言語化した配当金銘柄の選択基準について自分でも無意識に考えていた内容が出てきたし、子供にも整理して残しておきたいと思った。
今回のブログでは配当銘柄にも属性があり、買うべき時期が違うのではないかということ、及びその具体的な時期に関する考察を語ろうかなと思っているが、まず序盤では語る前に私の投資スタイルと私の配当金への考え方を理解してもらう必要があるのでまず流し読みで構わないのでお付き合い頂けたらと思う。
自己紹介∶自分の投資スタイルなど
私は現在配当金再投資を主な戦略としている。今よく書籍を出している配当金投資家さんとほぼ同じ手法だと自認している。ただし、銘柄はそこそこ絞っていて三菱HCC クラレ INPEX それから丸紅の4銘柄を軸に入金しては買い足して行く予定だ。
一方で「資産はキャピタルゲインで増やすべき、自分に特別な才能があると思ってはいけない」という信念もあり、実際ここに至るまではデイトレ〜一ヶ月程度のスイングをメインでやる短期トレーダーであった。ちなみに将来的にはデイトレはやらないにしろいずれはスイングトレードを再び中心に据えたいと思っている。最終的には「スイングトレードをしながら全世界型の投信を増やしていく」のが目標とする投資行動だ。
配当金投資に踏み込んだ理由
資産はキャピタルゲインで増やすべきだし、都度税金で減るのだから配当金は効率が悪いではないか?という意見もインデックス投資家が高配当投資家を揶揄するときによく見るし、実際それが真実だと思う。
ではそう考えているのに何故配当金に舵を切っているのか?
ポストをフォローしていただいている方はご存知かと思うが、退場こそしないものの私の短期トレードはそこそこ成績が悪い。普通に持ちすぎたり飛びつきすぎたりしてマイナスになる。底値で入ってもわずかな含み損に耐えきれずロスカしてその後急騰とかよくあることだったし今も起こっている。パフォーマンスを振り返ると普通に確定マイナスであった。
そこでエントリーポイントやエグジットポイント及び自分のトレードのメンタルの振り返りを行い、自分が強欲と恐怖の2つに囚われてそれをコントロールできないままトレードしている事に気づいた。何故そう考えるのか、さらに深堀りして気づいたのだがそのトレードで一切損失を出さず天井で利食いを決めなければならないという感情が根底にある事に気づいた。トレードの益は常に最大限でなければならないという感情が利食い後にさらに高値の天井でエントリーして激しいマイナスを食らったり、僅かな下落に耐えきれずぶん投げたりという行為に繋がっているようである。
そしてその感情は求める益に対して入金可能な労働収入が小さい事に起因していることに気づいた。まぁ労働収入を増やすまたは入金額を増やすなどすればよいのだが、体力的な問題から労働はこれ以上増やしにくい、入金は将来の下落に備えた貯金を犠牲にしなければ増やせないので本末転倒となる。どちらも不可能だった。
そこで入金、トレード益の他に現金を増やす第3の柱として配当金を考えた。少なくとも利食いしなくても玉を動かすことなくキャッシュが手に入る。真実は部分利食いであるとかそういうのはどうでもよく、現金が手に入る事が大事なのだ
感情の操作に過ぎないがとにかく現金入手の手段として配当金に注目し、短期トレードにおいてメンタル由来のエントリーエグジットを減らす事を目指した。私にとっては配当金は短期トレード成績向上のための手段の1つなのだ。
配当金投資について
配当金投資の特徴
今は上昇相場で見えにくいが、配当金投資は冷静に考えると効率が悪い。入ってきても都度税金で取られるし、自分の銘柄選択が間違っていれば減配リスクすらある。
総資産はともかくとして玉を減らさずに定期的に現金を手に入れ、玉数を増やす行為が配当金投資だ。玉が増えていけば原則配当金は増えていく。もちろんこれはそこに潜む減配リスクを無視した上での話。
銘柄を考える上で大事になってくる判断基準はこの減配リスクが一番の材料となると考えている。もちろん利回りやらもある程度は大事だが、原則売らずに玉を増やす作業なので突然減るリスクがどの程度あるの方が大事だと思う。
配当銘柄の属性わけ
減配リスクがどの程度ありそうか。もちろん先のことは解らないけどもある程度想像して臨んだほうがよいのではないかと書いた。ここで参考になるのは企業の配当金への姿勢だ。
属性分類の参考になる情報
この姿勢をみるのに適した情報は下記だと思う。
- リーマンショック時期の配当推移
- 連続増配歴
- 配当性向
実際の分類
配当金に対する企業の姿勢は大きく分けて以下の3つに分けられると思う。
1 何が何でも配当金を絞り出す
配当金は命、業績悪かろうと何しようと絶対に配当だけは出す。という企業がある。この内さらにa 命がけで限界を超えて出す。
b 命はかけないけどちょっと無理してでも出す。
の2つに分類される。
配当金単独で見た限りこれは有り難いことである。が一方で限界を超えて出し続けた結果業績悪化し配当金が突然減額→既存ホルダーのぶん投げが起こり、株価が大変なことになる可能性がある。
bは総合商社、特に三菱商事の姿勢。限界を超えて出しはしない、故に増配などはaより目立たない可能性がある。しかしまぁ安定してなるべく増やして出す。
2 出すが業績に応じであり、悪ければ無配
この属性にほとんどの銘柄が入るはずだ。思いつくのは今回の考察のきっかけになったヤマハ発動機、クラレ。この属性は地合いが悪い時は無配を覚悟しておくべき。
3 絶対に出さない
配当金は企業の利益の還元にすぎない。配当金を出すぐらいなら企業の成長のために用いる。思いつくのはルネサスエレクトロニクス
どこに資金を入れるべきか
属性分けをしてみて配当金銘柄を購入するにあたり今どういうのをセレクトするのがいいだろうか。
1-aは地合いがいい内は恐らく良いし、多少地合いが悪くても現金はくれるだろう。ただ本当に現金が欲しい地合い悪いときに業績の極端な悪化でついに減配→株価崩壊となって助からない可能性は常に考慮しておかねばならない。従って資金は入れても比率としては小さい方が良い。
1-bは地合いが良い内は増配してくる可能性は高いし、悪くなっても現金はくれる可能性が高い。突然の減配のリスクは一番小さいと言える(ゼロとは言わないが)。
この属性の銘柄に資金を置くのが一番現実的であろう。なお、水素の好きな私は丸紅推しである。
2-bは地合いが崩壊したらあっさり無配と化すので地合いが悪いときの現金供給源として期待してはいけない。とはいえ地合いが良い時は増配はしてくれるだろうし中身に期待できるなら1-bの次に資金は入れて良いと思う。トヨタマストバイ。
3は配当銘柄としては論外。ただキャピタルゲインを目指してトレードするのは大いにありだと思う。
最後に
繰り返しになるが配当金投資がパフォーマンスでインデックスを凌駕するなんてあり得ないし、パフォーマンスを期待するならインデックス積み上げがいいに決まっている。その中で敢えて私が今配当金投資をしたいと思うのは、短期トレードが好きで心理的安全性を担保するためという意味合いが強い。減配リスクに重きを置いて銘柄選択しなければ一番つらいときに心理的安全性が担保されない危険性がある。
配当をもらうためだけに特化した考察ではない。
あと今は配当金投資を始めて1年ちょっとになるはずだが利食いもロスカも冷静に行えるようになったという短期トレードにもいい影響が多少出ていることはお伝えしておく。時間がかかって面倒だけど急がば回れの精神だ。